かやねずみ さん から、がんと食事療法について、コメント・質問をいただきました。
まず、玄米菜食が、がんの治療・予防に有効か否かは、よくわかりません。
いわゆるエビデンスがないのです。
一方、欧米の食事のガイドラインは、必ず「未精製穀物」を摂取するように推奨しています。
つまり、白米より玄米、白いパンより全粒粉のパンの方が、健康に好ましいということは、エビデンスレベルと思います。
日本の食事療法に関するガイドラインは、厚生労働省、日本糖尿病学会などでは、未精製穀物を推奨していないのは、欧米に比べると不思議なことです。
しかしながら、長年の玄米菜食実践者が、がんを患うことがあるのも、間違いのない事実です。
がん発生率が「白米と普通食」の人より少ないのか同等なのかまではわかりません。
それからがん細胞が、基本ブドウ糖しかエネルギー源にできないのは、事実です。
この事実に基づき、米国で
【肺ガンに対するケトン食療法with「放射線・化学療法」】
という臨床試験が、2011年8月から開始されました。
非小細胞肺ガン4期の患者さんにターゲットを絞った研究です。
Ketogenic Diet With Chemoradiation for Lung Cancer (KETOLUNG) (*)
アイオワ大学が主スポンサーで、NIH(米国国立衛生研究所)も共同研究者という本格的なものです。
いよいよガンに対する糖質制限食(ケトン食)の治療効果が証明されるかもしれません。
ケトン食は、総摂取カロリーの75~80%が脂質という、究極のスーパー糖質制限食です。
2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)の、
難治性小児てんかん治療に、ケトン食が採用されたのは記憶に新しいところです。
小児のてんかんだけでなく、成人のガンにもおおいに効果が期待されるということでしょう。
ケトン体は、人体における最も効率のよいエネルギー源であり、動物実験ではガン細胞抑制作用が確認されています。
そしてガン細胞は、ブドウ糖しかエネルギー源にできません。
正常細胞のように、ケトン体や脂肪酸をエネルギー源にすることができないのです。
同様にアイオワ大学とNIHの共同研究で、
【膵ガンに対するケトン食療法with「放射線・化学療法」】
http://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01419483
Ketogenic Diet With Concurrent Chemoradiation for Pancreatic Cancer
も開始されています。
研究成果の発表が楽しみです。
また、
ニューヨーク・メモリアル・スローン・ケタリング癌センター
http://www.mskcc.org/
は、全米屈指の超有名な癌センターです。
日本における国立癌センターのイメージと同格、あるいは、それ以上のレベルの癌センターです。
U.S.News & World Reportベスト・ホスピタル癌部門において、常に上位2位以内に選ばれている実績があります。
そのセンター長兼CEO Craig.Thompson 博士の講演がユーチューブで見れます。
http://www.youtube.com/watch?v=WUlE1VHGA40#t=27m0s
CEO曰く、
「今どきの人間は食べすぎで、太っている人間の体内では細胞の変異が起き易い」
そうです。
そして、
「私達は、モデル生物において、優れたエビデンスを得ています。」
続いて、
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ケトン食における玄米の位置づけ
【がん治療に対する中鎖脂肪ケトン食の基本】
糖質の1日摂取量は40g以下を目標にします。1回の食事につき糖質が20gを超えないようにします。
ご飯・パン・麺類・芋類は糖質が豊富なので摂らないようにします。果糖の多い甘い果物も避けます。果糖も体内でブドウ糖に変換されるからです。糖質を食べるにしても、玄米や全粒粉小麦など精製度の低い炭水化物を少量食べます。
ご飯1杯(約150g)には約50gの糖質が含まれます。コンビニのおにぎり1個で糖質は約30g、食パン1枚で糖質は約20gが含まれます。基本的にご飯やパンや麺類は食べないようにします。
蛋白質は体重1kg当たり1〜2gを摂取します。体重60kgで60g〜120gです。
タンパク源としてはがんを促進する赤身の肉(牛肉など)は控え、大豆製食品(豆腐や納豆)や魚や卵や鶏肉などを利用します。豆の中では大豆は糖質含量が少ないので、豆腐や納豆や湯葉など大豆製品は有用です。ただし、豆腐で100g当たり1〜2g程度、納豆は100g当たり10g程度の糖質を含みますので、それを計算に入れておきます。
肉や魚は生の100gで10〜20g程度の蛋白質を含みます。
食品中の栄養素の含有量は文部科学省がインターネットで提供している「食品成分データベース(http://fooddb.jp/)」を参考にします。このサイトで、個々の食品がどの程度の糖質を含むかを日頃から確認しておくと食事の参考になります。
野菜や果物にも種類によってかなり糖質が含まれているので、注意が必要です。
加工した食品には栄養表示があるので、炭水化物や脂肪や蛋白質がどの程度含まれているか確認しておきます。
主食を一切省いても、大豆や野菜などにも糖質はある程度含まれています。食品の栄養表示をみながら、糖質の摂取を極力減らし、1日の糖質の摂取量が40グラムを超えないように注意します。
総合ビタミン剤などのサプリメントでも糖を入っていないものを選びます。
ブドウ糖が十分に供給されていると、脂肪酸の分解でアセチルCoAが増えてもTCA回路で代謝されるので、ケトン体は増えません。
肝臓ですぐに分解される中鎖脂肪酸を利用すると、脂肪の割合を60%程度に減らし、糖質を1日40〜60g程度摂取してもケトン体を大量に産生することができます。
中鎖脂肪を多く摂取して、脂肪:糖質+蛋白質の比率を1.5:1、つまり食事の60%を脂肪にするという食事を目標にします。糖質を40g、蛋白質を80g摂取するとカロリーは480キロカロリーになります。糖質+蛋白質の120gの1.5倍の脂肪は180gで、これは1620キロカロリーになります。全てを合わせて2100キロカロリーになります。カロリーは制限する必要はありませんが、過剰に摂取することは意味がありません。必要最小限のカロリー摂取を目標にします。
(摂取カロリー比率で計算すると脂肪からの摂取カロリーは70〜80%になります)
中鎖脂肪はココナッツオイルや精製した中鎖脂肪(マクトンオイルやMCTオイル)を1日60〜90gを目標に摂取します。キッセイ薬品のマクトンオイル(MCT85%)や日清オイリオ社のMCTオイルは無味無臭で、いろんな食品に添加して利用できます。調理にはオリーブオイルを用い、ドレッシングにはグレープシードオイルや亜麻仁油や紫蘇油を多めに使います。
亜麻仁油と紫蘇油はがん予防効果があるω3不飽和脂肪酸のα-リノレン酸を多く含みます。魚の油に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)もω3不飽和脂肪酸(DHAやEPA)で、がん細胞の増殖を抑える効果があります。魚を食べる場合は、焼き魚は脂肪が減るので、刺身や煮付けや唐揚げがケトン食では適しています。
食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富で糖質の少ないキノコやモズクなどの海藻やおからを食材に使用することも有用です。炭水化物には食物繊維と糖質が含まれますが、食物繊維はいくら食べても問題ありません。食物繊維は腸内環境を良くし便秘を防ぎます。脂肪をグリセロールと脂肪酸に分解する消化酵素のリパーゼの製剤を脂肪の多い食事の後に服用すると、さらに脂肪酸の代謝を促進します。膵消化酵素補充剤のリパクレオンを推奨しています。
野菜には抗酸化作用や免疫増強作用やがん細胞の増殖や血管新生を阻害する成分が多く見つかっています。このような抗がん作用をもつ成分を多く含む野菜をジュースなどにして多く摂取すると抗がん作用を高めることができます。ただし、糖質が多い野菜は摂取量を制限する必要があります。
例えば、がん予防効果が知られているニンジン、ブロッコリー、パセリ、タマネギなども100グラム当たり6グラム以上の糖質を含んでいます。レモンやグレープフルーツでも100グラム当たり8〜10グラムの糖質を含みます。リンゴやブドウや梨は100グラム当たり10グラム以上の糖質を含み、バナナは100グラム当たり20グラム以上の糖質を含みます。
がんに野菜や果物が良いという考えが普及していますが、糖質の多いものは避けることが大切です。
お茶やコーヒーには糖質は含まれていませんが、野菜や果物のジュースにはかなり糖質が含まれているものもありますので、市販の製品の場合は食品表示を確認し、自分で作る場合は食品成分データベースで糖質含量を確認しておくことが大切です。
ビタミンやミネラルの不足する心配があるときは、マルチビタミン・ミネラルのサプリメントの摂取が有用ですが、私はビール酵母のエビオス錠を推奨しています。安価で糖質が極めて少なく(1日量で0.1g以下)、胃腸の保護にも役立ちます。
ケトン食を始めてしばらくは代謝が変わるので、空腹感やパワーがでない感じが起こりますが、1週間もすれば慣れてきて、運動も普通にできます。脂肪が燃焼しやすい体になるからです。最初は糖質を40グラム程度を目標にしますが、体が慣れてくると、糖質を20グラム程度まで減らすとさらにケトン体を多く出すことができます。
尿中のケトン体をケトスティックスで時々測定して、尿中ケトン体が出ていることを確認しておきます。中鎖脂肪の多い食事をすると2〜3時間後に尿を測定するとケトン体が出ているのが確認できます。
中鎖脂肪酸はカルニチンがなくても肝細胞のミトコンドリアに取り込まれますが、長鎖脂肪酸はカルニチンが必要です。サプリメントでカルニチンを摂取することも有用です。
アルコールは糖質の少ないウイスキーや焼酎や糖質フリーの発泡酒などであれば、糖質制限の観点では問題ありませんが、アルコール自体ががん細胞の増殖を刺激しますので、がん患者さんは、アルコールの摂取はできるだけ控えるべきです。
以上のような体内のケトン体産生をわざと増やすような食事療法を行うと、最初の1週間くらいは、脂肪が多いと食後に腹痛がきたり、下痢になったり、倦怠感が出てきます。食物繊維が少ないと食物残査が少ないので便秘になります。しかし、食物繊維を多く摂取し消化酵素を利用すると、不快な胃腸症状はほとんど経験しなくなります。ケトン食に慣れてくるのに1〜2週間くらいかかりますが、体が脂肪が燃焼する状況になれば後は楽です。糖質を10グラムくらいに減らしても、脂肪を150〜200グラムくらいで普通に生活できます。少しづつ糖質を減らしていく方がやりやすいと思います。
注:上記の方法は、進行がんの治療を目的とした厳密な中鎖脂肪ケトン食です。しかし、脂肪の摂取量が多いので、人によっては、脂肪摂取を増やすと下痢や腹痛が起きて、実施が困難な場合も多く経験します。このような場合、糖質制限を緩め、脂肪摂取量を減らす「マイルドなケトン食」でもある程度の効果は期待できます。
摂取脂肪量に占める中鎖脂肪酸の摂取割合を増やせば、糖質を1日に100グラム(カロリーとして400カロリー)程度を摂取しても、ケトン体を多く出せます。このとき、中鎖脂肪の1回の摂取量を少なくして回数を増やしたり、料理に混ぜて摂取すると胃腸への負担は少なくできます。
抗がん剤治療の効果増強や再発予防の目的では、「マイルドなケトン食」でも、十分に効果が期待できます。
さらに具体的は方法は以下を参照して下さい。
1。摂取カロリーの決め方
2。糖質は可能な限り減らす
3。がん細胞の増殖を抑える脂肪を多く摂取する
4。中鎖脂肪(中鎖脂肪酸トリグリセリド)を多く摂取する
5。大豆と糖質の少ない野菜・果物を多く摂取する
6。蛋白質は回復力と治癒力の源
7。人工甘味料について
8。サプリメント
9。日本料理と地中海料理
10。中鎖脂肪ケトン食の副作用
大豆と糖質の少ない野菜・果物を多く摂取する
◇ 大豆と糖質の少ない野菜・果物を多く摂取する
【大豆は抗がん作用をもつ成分の宝庫】
豆類はマメ科植物の種子として、植物が成長するために必要な栄養素を蓄えているため、極めて栄養豊富な食料です。また、昆虫や鳥や動物から食い荒らされないように、渋みや苦みの成分や、毒作用をもった成分も含有しており、このような成分は抗菌・抗がん作用を有する場合もあります。したがって、栄養成分としてだけでなく、感染予防や、がん細胞の増殖抑制やがん予防効果も期待できます。しかし、豆類の多くは糖質も多いので、がんのケトン食療法では摂取量が制限されます。
豆類の中で糖質が比較的少なく、抗がん作用をもつ成分を多く含むのが大豆です。他の豆類は、糖質を40〜50%、蛋白質は20〜25%程度であるのに対して、大豆は糖質11%、蛋白質35%と低糖質・高蛋白が特徴です。豆腐や納豆など大豆製食品は糖質制限食でも十分に利用できます。
大豆は昔から良質なたんぱく源として知られ、健康増進やがん予防に有効な様々な有効成分を含むことでも知られています。豆腐や納豆など大豆製品を豊富に摂取する人たちには、がんの発生が少ないことが疫学的に証明されています。大豆に多く含まれる「イソフラボン」という成分は、女性ホルモンの作用に影響して、乳がんや前立腺がんを防ぐ効果が報告されています。さらに、がん細胞に養分を与える腫瘍血管が育たないようにしてがん細胞の増殖を抑える働きや抗酸化作用も知られており、多くのがんの再発予防にも効果が期待できます。大豆は日本人の長寿を支える伝統食であり、調理法も多彩ですので、がんのケトン食療法でも、利用価値の高い食材です。
ミトコンドリア病とは-ミトコンドリアの機能低下が糖尿病や難聴などさまざまな症状を引き起こす
https://medicalnote.jp/contents/160915-001-CU より~
ミトコンドリア病とは-ミトコンドリアの機能低下が糖尿病や難聴などさまざまな症状を引き起こす
- #ミトコンドリア病
- インタビュー
- 公開日:2016/09/22
- 更新日:2017/02/22
ミトコンドリアとミトコンドリア病-ミトコンドリアの働きとは?
最も重要な働きは細胞の活動に必要なエネルギーを作りだすこと

「ミトコンドリア病ハンドブック-ミトコンドリア病をもつ患者さんとそのご家族のために-」(国立精神・神経医療研究センター病院 遺伝カウンセリング室)より引用
ミトコンドリアは細胞のひとつひとつにそれぞれ数百個ずつ存在し、さまざまな働きをしています。しかし、もっとも重要な働きは細胞の活動に必要なエネルギーを作り出すということです。
ミトコンドリア病とは、ミトコンドリアに異常が生じることで機能が障害され、細胞の働きが悪くなってさまざまな症状が現れることをいいます。体のどの部分のミトコンドリアにどれくらい異常が生じるかによって症状が大きく異なります。
ミトコンドリア病の原因-DNAの変異によってミトコンドリアの機能が障害される
ミトコンドリア病の原因はDNAが変化することによる遺伝子変異です。これにはミトコンドリアDNAの変異である場合と、核DNAの変異である場合の2通りがあります。DNA(デオキシリボ核酸)には私たちの体を形づくるために必要な情報が入っていて、そのひとつひとつが遺伝子と呼ばれています。
核DNAはミトコンドリアDNAの働きにもかかわっています。ミトコンドリアに必要なタンパク質のうち約1,500種類が核DNAの情報をもとに作られ、13種類がミトコンドリアDNAの情報をもとに作られますが、ミトコンドリアDNAは核DNAのおよそ10倍も変異が起こりやすいといわれています。
ミトコンドリア病を引き起こすミトコンドリアDNAの変異でもっとも代表的なものは3243変異と呼ばれるものですが、他にも多くの変異が見つかっています。そして現在は新しく核DNAの遺伝子異常の変化が次々に見つかってきています。
ミトコンドリア病の症状-ミトコンドリアの機能異常は糖尿病などさまざまな病気にかかわっている
疲れやすさ・精神症状・糖尿病などもミトコンドリア病の症状のひとつ

「ミトコンドリア病ハンドブック-ミトコンドリア病をもつ患者さんとそのご家族のために-」(国立精神・神経医療研究センター病院 遺伝カウンセリング室)より引用
ミトコンドリア病は、エネルギーを多く必要とする脳や筋肉などに特に症状が出やすいことから「ミトコンドリア脳症」「ミトコンドリア脳筋症」とも呼ばれています。しかし、体のどの部分で症状があらわれるかは症例によってさまざまです。
また、パーキンソン病など、これまで別の神経疾患であると考えられていたものが実はミトコンドリアの機能異常を背景にして起こっているということがわかってきました。したがって、どこまでの範囲をミトコンドリア病と呼ぶべきなのかということ自体、狭く考えるか広く考えるかによってかなり変わってきます。疲れやすさ・精神症状・糖尿病などもミトコンドリア病の症状のひとつですし、老化現象も広い意味ではミトコンドリアの機能異常が関係しているといえます。
しかし、ミトコンドリアの機能異常全般をミトコンドリア病としてとらえるとあまりにも範囲が広すぎます。診断がついていないだけで、実はミトコンドリアの異常が隠れているという方はたくさんいらっしゃると考えられます。したがって、一般的にはミトコンドリアの細胞内でのさまざまな働きの中でもっとも重要なエネルギーを作り出すというところを中心に考え、エネルギーの産生低下によって起こる病気を総称して「ミトコンドリア病」と呼ぶようにしているのだと理解していただくとよいでしょう。
ミトコンドリア病の患者さんはどれくらいいるのか-ミトコンドリア病の診断基準とは
日本では認定基準が設けられているが診断基準ではない
ミトコンドリア病は国から難病に指定されていて、平成24年度医療受給者証保持者数は1,087人となっています。これを患者数ととらえるとけっして多いわけではありません。つまり、代表的な遺伝子変異である3243変異やその他のミトコンドリア異常を持っている方がたくさんいらっしゃる中で、ごく一部の方しか発症していないということです。
しかしながら、患者さんがどれくらいいるのかというのは非常に難しい問題です。今のところミトコンドリア病の診断基準には全世界的に定まったものがありません。日本では国が医療面の支援をするために認定基準を設けましたが、現在それは診断基準としては用いられていませんし、その基準に基づいて疫学調査を行ったわけでもありません。
たとえばフィンランドやイギリスでは、数万人を対象として3243変異を持っている人たちがどれくらいいるのかということを調べた疫学調査があります。それらをみる限り、ミトコンドリア異常を持つ人たちが相当多いであろうということはいえます。
もちろん、ミトコンドリア病の遺伝子変異は3243変異だけではありませんから、それだけを判断基準にするというのはまったく現実的ではありません。しかもエネルギー産生の低下を客観的に評価するような指標もありません。たとえば血液検査で数値を見ればわかるというようなものではないため、診断は困難です。
ミトコンドリア病は診断基準を作るのが難しい
変異があっても発症しない方はたくさんいらっしゃいます。ミトコンドリアDNAの場合は核のDNAとは異なり、ひとつの細胞に数百から数千ものコピー(複製)が入っています。そのうちの一部に変化があったとしても何も細胞には影響がなくて病気を発症しない、しかし遺伝子検査をすると変化をもったDNAが見つかるという方がいらっしゃいます。遺伝子の変化が見つかるということと病気であるということはまったく違います。その点がミトコンドリア病の診断において、非常に難しい部分となっています。
ミトコンドリア病にはさまざまな臨床症状があるため、どの臓器を中心にみていくのかという点も含め、全体でひとつの診断基準を作ることが難しくなっています。ミトコンドリア病は症状の現れ方によっていくつかの病型に分類されているため、病型ごとにそれぞれの診断基準を個別に作ったほうがしっかりとした診断基準ができるという面があります。現在は新しく診断基準を作成すべく、議論を重ねながら見直しを行っているところです。
ミトコンドリア病の分類-Leigh(リー)脳症など症状の現れ方によってさまざまなタイプに分類される
ミトコンドリア病で最も多いのはMELAS(メラス)
ミトコンドリア病はその症状の現れ方によってさまざまなタイプ(病型)に分類されます。代表的なものは次のとおりです。
- MELAS(メラス):急激な意識障害や運動麻痺など、脳卒中に似た症状を伴う
- MERRF:自分の意思と関係なく筋肉が動く「ミオクローヌス」症状を伴う
- CPEO(Chronic progressive external ophthalmoplegia; 慢性進行性外眼筋麻痺症候群):目の周りの筋肉が麻痺して眼球を動かせなくなる
- Leigh(リー)脳症:乳幼児期に発症することが多く、精神運動発達遅滞・けいれん・筋緊張や筋力の低下などの症状がみられる
たとえばミトコンドリア病で一番多いMELAS(メラス)という病気は脳卒中を起こすとされていますが、MELASの原因となるミトコンドリア遺伝子の変異を持っていても、大部分の方は脳卒中を発症することはありません。遺伝子変異を持っている方はたくさんいらっしゃるのですが、実際に脳卒中になる方は少ないのです。
しかも、なぜ脳卒中になるのか、どのような場合になるのかということがまったくわかっていません。外来に来られる患者さんやご家族の方には脳卒中を心配されている方が多いのですが、わからないことをあまり心配しすぎないほうがよいのではないかということをお話しするようにしています。
症状が軽い患者さんは普通に生活を送っている
インターネットなどではどうしても症状が重い患者さんの情報が目につくことが多いのですが、症状が軽い方は普通に生活していますから、ご自分から何かを発信するということはありません。その結果、外来に来られる方は重症例の情報だけを持って不安を抱えた状態で来られています。しかし病気が発症するかどうか、症状が重いか軽いかということは今の研究段階ではまったく予想がつきません。ですから、外来に来られる方の多くが過度に心配しているという状況があります。
脳や心臓など大事な臓器に関しては、定期検診を受けて早めにその異常をチェックし、できるだけ早く対処するようにしたほうがよいということをお話ししています。だからといって過度に心配をして運動もしないなど、日常生活の中でむやみに制限を設ける必要はないと考えていますが、それも実際のところ個々の症例によって異なってきます。
ですから、ミトコンドリア病をよく診ている専門の先生に診てもらうということが重要です。我々の研究班でも、今後はミトコンドリア病を診ることができる専門医を全国に配置できるよう取り組んでいかなければならないと考えています。
ミトコンドリア病の症状はどのような経過をたどるか
あらゆる可能性があり予測は困難
ミトコンドリア病の経過は、急性に現れる場合・ゆっくり症状が現れる場合・ゆっくり改善する場合・ほとんど変わらない場合など、あらゆる経過がありうるため、将来の予測は困難です。
たとえばミトコンドリア病の病型のひとつにLeber病(レーベル遺伝性視神経症)という視神経が障害される病気があります。この病気は発症すると急速に悪くなって失明に近い状態に進行しますが、2年以内に徐々に視力が回復するケースが数パーセントの割合でみられます。治る方と治らない方では何が違うのかということも研究されていますが、まだわかっていません。
ミトコンドリア病は病型によっても異なりますが、急激に症状が進み、乳児のうちに亡くなるような重篤な例もあれば、60~70歳で初めて病気がわかる方もいらっしゃいます。ですから、診ている診療科もまちまちで、新生児であれば小児科医が診ていたり、高齢で発症した方は老年科の医師が診ている場合もあります。そういった状況があるため、疾患の全体像を把握することがなおさら難しくなります。
ミトコンドリア病の検査
ミトコンドリア病の検査は、「どのような症状が出ているかを調べる検査」と「ミトコンドリアの異常を調べる検査」の2つに大別されます。

「ミトコンドリア病ハンドブック-ミトコンドリア病をもつ患者さんとそのご家族のために-」(国立精神・神経医療研究センター病院 遺伝カウンセリング室)より引用
筋生検(きんせいけん)に関しては、全国から1年間でミトコンドリア病疑いの患者さんおよそ200~300人分の検体が送られてきます。主に大学病院から送られてくることが多いのですが、おそらく主治医の先生がミトコンドリア病を疑い、筋生検で診断がつく可能性があると考えて検体を送ってこられているのだろうと考えています。一方で規模の小さい病院や一般病院ではそこまでの検査ができないので、経過観察をしているという場合もあるかもしれません。
医療機関の役割として、大学病院のような専門的な検査ができるところとそうでないところとでは、どこまでの検査を実施するかということが変わってきます。また、それとは別に患者さんと医師の関係性もかかわってきます。患者さんが病気の原因を探してほしいと強く希望している場合など、さまざまな要因が関係するため、「この段階でここまでの検査をしたほうがいい」ということも一概にいえない部分があるのです。
たとえば外来では、血液検査で乳酸の値が高くミトコンドリア病が疑われる状態があるものの、現在は元気なので様子を見ているという患者さんもたくさんいらっしゃいます。しかし、どのような施設でいつ・どこまでの検査を受けるべきかというような検査の指針となるものを出すこともなかなか難しいというのが実際のところです。
ですから、検査についてもやはり専門医に相談していただくのが一番よいと考えています。検査方法も進歩していますし、出てくる結果の解釈も少しずつ変わってきています。近年、特に遺伝子検査の方法が大きく進歩しているので、将来的には遺伝子の変化がより詳しくわかるようになり、確定診断がつくということも期待できます。
ミトコンドリア病の治療-治療薬は現在も研究が行われている
ミトコンドリア病の治療法は対症療法と原因療法の2つに大きく分かれます。

「ミトコンドリア病ハンドブック-ミトコンドリア病をもつ患者さんとそのご家族のために-」(国立精神・神経医療研究センター病院 遺伝カウンセリング室)より引用
ミトコンドリア病の治療については、それぞれの臓器ごとのいわゆる対症療法が中心となります。たとえば難聴の場合は人工内耳が非常に有効ですし、けいれんには抗けいれん剤が効きます。また糖尿病であれば血糖降下薬やインスリンを使うことで治療が可能な症状がありますので、それぞれの専門医に診てもらい、対症療法をしっかりと行うことが大切です。

「ミトコンドリア病ハンドブック-ミトコンドリア病をもつ患者さんとそのご家族のために-」(国立精神・神経医療研究センター病院 遺伝カウンセリング室)より引用
その一方で、病気そのものの本態がミトコンドリア機能の異常であるため、ミトコンドリアの代謝にかかわる物質やビタミン類を投与して、ミトコンドリアの機能を高めることをめざした治療も行われています。これらの治療薬については現在も研究が行われていますが、今のところ有効性が証明されているものはまだありません。
また、それ以外の原因治療としては、ミトコンドリア遺伝子の中で変異を持っているものを壊して正常なものを残すという、遺伝子治療的な方法の研究も行われています。最新の治療に関する研究については、記事2でもう少し詳しくご説明します。
- 記事1:ミトコンドリア病とは-ミトコンドリアの機能低下が糖尿病や難聴などさまざまな症状を引き起こす
- 記事2:ミトコンドリア病の治療と遺伝子をめぐる最新トピックス-薬物治療の可能性や新たな治療法について

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター メディカル・ゲノムセンター長/神経研究所 疾病研究第二部 部長/ トランスレーショナル・メディカルセンター 副センター長/病院 遺伝カウンセリング室医長・臨床検査部遺伝子検査診断室医長(併任)/東邦大学 客員教授/ 早稲田大学客員教授 /東京医科歯科大学 連携教授/ 東京大学医学部 非常勤講師/ 信州大学医学部 非常勤講師 /横浜市立大学医学部 非常勤講師 /川崎医療福祉大学 非常勤講師/ お茶の水女子大学 非常勤講師
北海道大学医学部に学び、1988年からミトコンドリア病の研究を始める。1990年にミトコンドリア病の中でもっとも頻度の高いMELASの遺伝子変異を発見し、Nature誌に報告した。厚生労働省「ミトコンドリア病の診断と治療に関する調査研究班」の研究代表者を務める。
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ミトコンドリアを増やす方法
太田式とは
【「食べない生き方」より 】
「太田成男」先生は、福島県出身の生物学者で、日本医科大学大学院教授で、
日本ミトコンドリア学会理事長、日本 Cell Death 学会理事長、水素研究会理事長などを務め、
ミトコンドリア研究の第一人者としても知られています。
ミトコンドリアは自前の DNA を持ち、何十億年もの昔は独立した細菌だったと想定されています。
それが何らかの理由で生物の細胞内に取り込まれたと考えられています。
人間は60兆個の細胞から成り立っており、
その細胞の一つ一つに数百から数千ものミトコンドリアが存在します。
ミトコンドリアは細胞の中でエネルギーを作り出し、若さや元気の源になっています。
このミトコンドリアの一部が異常をきたし、機能低下する事で起こるのが『ミトコンドリア病』です。
主にエネルギー需要の高い脳や心臓、骨格筋などで症状が出ますが、
すべてのミトコンドリアが一様に異常なわけではなく、様々な症状が出ます。
ミトコンドリア病は1980年代に報告され、平成21年に厚生労働省の特定疾患に認定されました。
国内の認定患者は1000人以下ですが、ヨーロッパにはその20倍以上の患者がいる事を考慮すると、
潜在的には数万人はいると考えられます。
ミトコンドリアは、糖と脂肪と酸素からエネルギーを生成する働きを持っています。
健康な人と不健康な人の違いはミトコンドリアの量にあります。
女性が長生きなのはミトコンドリアの量が多いからです。
人間には、白筋と赤筋の二つの筋肉があります。
男性には瞬発力を担う白筋が多く、女性には体を支える赤筋が多いです。
ミトコンドリアは赤筋に多く含まれている事が分かっています。
しかも、女性ホルモンにはミトコンドリアを増やす働きがあります。
食べ過ぎるとミトコンドリアは、栄養が体に行き渡っているため、怠け始めるそうです。
ミトコンドリアが働いてくれないと、体に入ってくる糖や脂肪はエネルギーに変換され難くなってしまいます。
ミトコンドリアは、食事から摂取した栄養をエネルギーに変えてくれるからです。
あまった糖は血液に流れ込み、分解されていない脂肪は細胞に蓄積し始め、肥満へとつながります。
ミトコンドリアはエネルギーを作り出す時に「酸素」を必要としますが、
この「酸素」が活性酸素に変化して老化につながります。
ミトコンドリアを増やすには、「空腹」が最も重要です。
ミトコンドリアは、エネルギーが不足している時や、
もっとエネルギーの需要が必要な時に活性化して増殖します。
「空腹」になると、体はもっとエネルギーを作らなければと認識してミトコンドリアを増やし、
エネルギーを作ろうとするのです。
ミトコンドリアを増やすのに最も効果的なのが「運動」です。
筋肉の細胞にはミトコンドリアが豊富に含まれています。
運動をして筋肉の量を増やせばミトコンドリアの量も増え、体全体のミトコンドリアの働きも活性化します。
1分間の軽めの運動と30秒間の強めの運動を繰り返すサーキットトレーニングが、
ミトコンドリアを増やすのに効果的だとされています。
寒い所に行くとミトコンドリアが増えるという報告があります。
私たちの体は寒さを感じると体温を上げるためにエネルギーが必要だと判断し、
そのためにミトコンドリアを増やせという指令を出します。
人間の場合は12度で10分というのが適当ではないかと言われています。
◆ ミトコンドリアを増やす生活術
● 座った時も立った時も背筋を伸ばす。
● ヨガや社交ダンスを習ってみる。
● 寒い場所で運動をする。
● 有酸素運動の前に短いダッシュをする。
● マグロトレーニングを行う。
● サウナに入った後に水風呂に入る。
● 野菜は緑、赤、黄を食べる。
● 週末断食をする。
(「週末断食(週末一日断食)」につきましては、「半日断食・週末一日断食」カテゴリの記事を参照されてください。
ここは下記の【感想】にてピックアップしてお話しさせて頂いていますので、ご一読されてみてください:ブログ管理人 )
◆ ミトコンドリアを増やす食材
【食材】 【成分】 【効果】
● ニラ 硫化アリル 抗酸化物質に変化
● ニンニク 硫化アリル 抗酸化物質に変化
● トマト リコピン 活性酸素を抑制
● スルメ タウリン ミトコンドリア増殖に不可欠
● ブロッコリースプラウト スルフォラファン 抗酸化物質に変化
アメリカの大手ケミカル製品メーカーでは、DNA チップという最先端の手法を用いて、
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心不全とはどのような病気?症状、原因、治療法
ミュージシャンのテクマさんなど若い人も心不全になることがあります。心不全は心臓の病気としては、非常に重度のものです。心臓がうまく働かない状態であり、何らかの病気が原因となって引き起こされます。高血圧や高脂血症なども、心臓に負担をかける病気であり、こうした病気が原因となって心不全に至ってしまいます。心不全の原因や予防法などを分かりやすくまとめましたので、参考にしてください。
心不全とは?

心臓の役割は全身に血液を送り出すことです。ちょうどポンプのような役割を担っています。心臓がポンプの役割を果たせず、全身に血液を送れていない状態を「心不全」と呼びます。
ポンプとしての役割を果たすことで、心臓は血液を体中に循環させ、栄養や酸素を全身に運んでいるのです。十分な血液が各臓器に供給されることで私達の体は健康に動くことができるのです。
つまり心臓は次のような役割を果たしていると言えます。
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心不全の症状
心不全とは、心臓の能力低下で起こる体の不健全な状態をいう
坂道で息切れしたり、セキをしたりする

もくじ
大切な心臓の二つの役目
人間が生きていくためには、体の各部分に十分な酸素と栄養が行きわたることが必要です。酸素と栄養を運ぶのが血液で、その血液を循環させるポンプの働きをするのが心臓です。
このポンプの役目は大きく分けて二つあります。一つは血液を送り出す働き、もう一つは血液を受け取る働きです。だから、十分な血液がポンプ内に満たされて、はじめて十分な量の血液を体内に送り出せるわけです。<図1>。
心臓というポンプの働きを考えるうえで重要なのは、ポンプを通過する血液がぐるぐると体を循環している点です。
消防ポンプですと、取り入れた水を勢いよく放水すればよく、放水した水を再び取り入れて、同じポンプで使うことはありません。心臓の場合、これとはまったく異なり、環状線の電車のように、連続して血管の中に血液を循環させています。ですから、万一このポンプが故障すると、一つの電車の故障が他の駅に渋滞を広げていくのと同様に、次々と体に影響が出てきます。
図1 心臓のポンプには二つの役目がある

- 血液を受け取る仕事と血液を送り出す仕事
心臓に備わったバックアップ機構
図2 少し弱った心臓の場合はどうか
日本食の歴史
はじめに――アジアのなかの日本食
これに対して、西アジア・中央アジアおよびヨーロッパなどでは、寒冷乾燥な気候であることから、麦作が盛んで小麦が主な食料となっている。これには牧畜が伴い、乳を出す牛や羊などが飼われることから、肉と乳が組み合わされた食生活が営まれた。米は脱穀して精米すれば、そのまま粒で食べることが出来るが、小麦は外皮が剥がれにくく粉食とするほかないので、パンやナンあるいは麺となる。これらを食事のメインとしながら、牧畜による肉と乳製品を利用するため、麦と肉の文化が展開をみた。
そして米と魚の文化では、魚を発酵させた魚醤や大豆を用いた味噌・醤油などの穀醤が調味料となり、麦と肉の文化においては、肉や骨を煮込んだスープとクリーム・バター・チーズなどが味付けの主体となっている。ただ中国大陸では、北部には麦と肉の文化が広がるが、南部では米と魚の文化が基本であった。このため日本の食文化は、中国大陸南部の延長線上に位置するものと見なすことができる。
またイノシシの家畜化によるブタの飼育もアジアでのことと思われるが、ブタは放っておいても回りの草や廃棄食料などを食べて育つため、ニワトリとともに稲作労働の傍らで簡単に飼うことができる。これらは魚とともに、米の飯の重要な菜となったが、日本では、かなり特殊な事情が生まれた。おそらく稲作の伝来とともに、日本でもブタの飼育が行われた形跡が認められるが、このブタが途中から欠落していった点が注目される。その意味で、日本の米文化は、アジアのなかではかなり特異なものとなったといえよう。
本章では、こうした歴史的事情を踏まえた上で、米という私たちに非常に親しみの深い食べ物を中心に、日本における食の歴史を眺めていくこととしたい。それゆえ、米以外の食物にも注意を払いながら、稲作以前および南北の問題についても、充分に眼を向けつつ、歴史のなかの日本食の全体像を見つめ直していきたいと思う。
食乱れる現代。今こそ、精進料理の教えから食への感謝を学ぶべき時です。
食乱れる現代。今こそ、精進料理の教えから食への感謝を学ぶべき時です。
日本仏教と精進料理の発展
そのため6世紀頃に仏教が伝来し、中国で成立した精進料理の思想がわが国に伝わった際、潔斎の思想が土壌にあったため、精進料理も素直に受け入れられたといわれます。
○初期日本仏教と精進料理
わが国では、聖徳太子が仏教を治国のために積極的に取り入れるなど、国を挙げて仏教を保護し、政策の基盤とする世が続きました。仏教はわが国にすっかり根を下ろし、仏教文化である「飛鳥文化」が花開きました。
675年、天武天皇の勅令によって僧侶の肉食が禁止され、国の定めの上からも、僧侶の食事内容が限定されることとなりました。このころはまだ調理法は発 達しておらず、生、あるいはゆでた野菜に、酢、塩、醤(ひしお・しょう油の原型)などをかけただけの簡単な調理で食べていました。

平安時代中期の「枕草子」には、「そうじものいとあしき」と記されています。「そうじもの」は、「精進もの」のことで、このころにはすでに、僧侶の食べ る食事を精進料理と呼んでいたことが推測されます。「いとあしき」は「すごくまずい」という意味ですから、精進料理はおいしくない粗末な料理という風に思 われていたようです。
奈良・平安時代には、比叡山に天台宗が、高野山に真言宗がおこり、民衆を教化しました。
このころから、寺院の正式行事の際に精進料理が出されるようになり、その形式や作法の原型が生まれました。当時の精進料理献立も今に伝えられています。
また、それまでは日本の食事習慣は通常朝飯と夕飯の一日二食でしたが、この時代に中国の影響を受けて、寺院や貴族たちの間で一日三食の習慣がはじまり、やがて一般社会にも浸透したといわれます。
○鎌倉新仏教と精進料理の発展
鎌倉時代になると、戦乱や天変地異で世が乱れ、民衆は苦しみ、「末法思想(お釈迦様の死後2000年が経つと仏教が衰え世が乱れるという考え方)」が流 行しました。こうした民衆の期待に応えるかのようにして、浄土宗、浄土真宗、時宗、臨済宗、日蓮宗、曹洞宗などの新しい宗派が生まれました。
それまでの仏教は、いわば貴族や僧侶などが中心に信仰しておりましたが、これらの新しい宗派は、仏教本来の教えに立ち返って民衆の苦しみを救うため、今 まで以上に民衆にわかりやすい方法で布教を行いました。それらの教えとともに、仏教文化が広く一般民衆に浸透した時期といえます。
その結果精進料理も、各宗派の教えと共に全国に広がり、一般の家庭でも食べられるようになりました。
・浄土真宗と精進日
浄土真宗の開祖、親鸞上人は、権力に結びついて腐敗した旧仏教を改革して民衆に広めるため、自らの門下のものには、禁止されていた肉食妻帯を許しまし た。その代わりに、近親者の命日には肉食を避けて潔斎し身を清めよう、として「精進日」を定めました。志もなく形骸した平常の禁肉食よりも、たとえ数日で も、まごころと意味をもって禁肉食を行じる方が意義深いと説いたのです。
この風習は現在も各地に残っており、近親者の葬儀の際、四十九日法要が終わるまで喪に服し、肉魚を避けた精進料理だけを食べる地域もあります。地域によってその期間はさまざまです。
ちなみに、喪が開けた日に食べる料理を「精進落とし」といい、それ以降は肉魚を食べてもよく、いわば区切りの料理となります。都市部では葬儀が終わればすぐに精進落としになる場合がほとんどです。
・黄檗宗と普茶料理
禅宗の一派である黄檗宗では、「普茶料理(ふちゃりょうり)」という独特の精進料理を今に伝えています。黄檗宗は、インゲン豆をわが国に伝えたことでも有名な隠元禅師を開祖とします。
他の宗派と違い、中国人である隠元禅師が弟子を引き連れて日本に渡来したことによって開創されたため、中国の作法をそのまま行っているのが特徴です。法要の作法やお経などが中国式なだけではなく、食事についても同様です。
中国では精進料理を「素菜(ツアサイ)」といいますが、黄檗宗の精進料理、すなわち「普茶料理」では調理法や献立名なども中国語読みそのままが多く、作法 も中国式です。現在の中華料理のように、一つのテーブルを何人かで囲み、大皿に盛られた料理を分け合って食べます。また炒めや揚げのように油を上手に使っ た調理法が特徴です。中国で発展した「もどき料理」も多く用いられ、野菜や豆腐を使ってウナギの蒲焼きやチクワ、鳥の丸焼きなどに見た目も食感も似せた珍 しい料理が作られます。
そうした異国情緒あふれる普茶料理は、一般民衆に受け入れられ、江戸時代には『普茶料理抄』などの専門書も著されました。
○曹洞宗の精進料理
こうして各宗派独自の精進料理に対する考えが生まれる中、曹洞宗の道元禅師は、わが国の精進料理発展に非常に大きな影響を与えました。道元禅師は、お釈迦様正伝の仏法を標榜し、真実の仏法は日常の中にこそある、と説きました。

すなわち、洗面、入浴、排便などの日常行為をはじめ、伽藍の掃除や草むしり、畑仕事などの労働も、すべて仏の行いであり尊い修行であると説きました。中国禅の作務の思想を継承してわが国にもたらしたのです。
中でも、毎日の暮らしに欠かせない食事については特に重視し、『典座教訓』『赴粥飯法』などを記して、食事の尊さを説きました。そのため曹洞宗の道場で は、その教えに従って雲水自らが修行として調理を行うようになり、以来760年以上に渡り禅寺の台所では食材を生かし、無駄を出さない工夫と技が培われて きたのです。
もともと、寺院には一流の知識層が集い、また積極的に大陸と交流を持ち、当時最先端の学問と文化を取り入れていました。僧が大陸に留学する際、学問と共 に最新の調理法や献立などを持ち帰ったこともあり、寺は食文化の発信地でもありました。特に、「調理を仏道修行として行う」ことを説いた曹洞宗では、熱心 に調理技術の研究や工夫が行われ、その技術は和食や茶道などにも大きな影響を与えたといわれます。
安土桃山時代に茶の湯を創始した千利休は、茶と禅のこころに通じるものを見出し、茶会において精進料理の影響を受けた「懐石料理」を出すようになりました。その名は、かつて僧が飢えをしのぐため、暖めた石を懐に抱いたことに由来します。
こうして、鎌倉時代ころから、わが国独自の精進料理の思想が生まれ、長い歴史の中で発展をとげることとなりました。
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安保徹講演 腎臓は自前の調節機能をもっている
腎臓の回復
安保徹講演 腎臓は自前の調節機能をもっている
年々、透析患者は増え続ける。なぜか?
血流障害で腎臓痛めている。過酷な仕事の悩み。
治すどころか
利尿剤、血圧降下剤で脱水、さらに血流悪くなる。
腎臓で血圧をあげ200~300 血流をよくして治す。
薬減らし、体温め、けつぃあつ上げて、血流よくすると治る。
尿がでれば治る。
腎臓の専門家にいけば、透析になる。おかしな治療家?
血流障害の病気、保険が安易に透析になる。
糸球体で尿つくる。
https://youtu.be/CALwFQBtBbI
2013年6月9日に開催された講演会「免疫力を自分で高める~心と身体からのアプローチ~」にて、元・新潟大学医歯学部教授・安保徹氏が …
https://youtu.be/xZFlqhh4ueg
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2016年12月6日に突然他界された安保徹先生。 3日前には元気に講演されていたのに何があったのか? 貴重な遺言を残しておられます。
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高齢化と糖尿病の増加で、腎臓病が増えています。 神奈川県の気功なら鶴巻温泉治療院へ 【0463-93-0626】 …
動画に関する詳細はコチラ→http://bit.ly/Q6XYZI 免疫学の世界的権威、安保徹先生から、人間が持つ「免疫力」の仕組み、そして「免疫力」 …
自分の死因、安保徹先生.
2015年に魂喜村にて行われた安保徹先生のセミナーダイジェストです。
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2014年8月ワールドフォーラム「統合医学を結ぶ!」公開講演会 「生命エネルギーUP」がもたらす「免疫力UPの仕組み」大解明! 治療の …

安保徹先生ワールドフォーラム動画リスト
平成27年度国立大学附置研究所・センター長会議 第2部会シンポジウム 熊本大学発生医学研究所 副所長 西中村 隆一 教授 □2015年10 …
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クローズアップ現代
2014年東京都内に於いて100歳まで生きるをテーマに最新のデータを交えて免疫学の権威安保先生が講演。

安保先生




























